作品紹介

ストーリー

ドラマ編

               

功⼀は仕事⼀筋⼈間で⽣きてきたが、家庭を顧みず、妻・恵とはすれ違いが続き、娘・鈴涼とも仲が悪かった。ある⽇、若年性パーキンソン病だと診断されるも、それを受け⼊れられず、⼀⼈孤独を抱えてしまう。職場でも仲間が離れていく中で、功一はある場所でダンスと巡り合う。功一は、ダンスと向き合いながら、自分の運命を進んでいくのだろうか?

               

ドキュメンタリー編

               

⽇本に15万⼈以上いるパーキンソン病の患者。若いと20代、30代でも発症し、運動機能に制限が⽣じるが、薬との併⽤で病気の進⾏と遅らせることができ、社会⽣活を良好に⾏うことができる。当事者の⽅の⽇常を追いかけながら、⽇々の奮闘ぶりと病気との付き合い⽅、社会参画への意識を追いかけていく。

企画意図

日本に約15万人いるパーキンソン病患者。難病に指定され、生涯に渡って向き合わねばならない病気です。近年は30代〜40代の働き盛りの若年性パーキンソン病の方も増えてきています。患者さん当事者は、パーキンソン病と診断されるまでに何年にもわたり、病院を転々とする人もおり、病名が明らかになった後も、仕事や家族との関わり方に悩んだり、苦しんだりしている方が多く存在します。しかしながら、完治がしないと言えども、薬で症状をコントロールし、定期的なリハビリテーションを行うことで、日常生活を支障なく暮らしていくことが可能なのです。患者さん当事者が人生に悲観することなく、そして孤立することなく、笑顔で前向きに自分や家族、職場と向き合っていくために、どのような思考や発想、習慣を持つことが大切になるのか? 激動の現代社会において、病気が及ぼす影響をマイナスとしてだけ捉えるのではなく、どのようにしたらプラスに変えていくことができるか。病気のみならず、変化の激しい現代社会を乗り越えていくためのきっかけを、パーキンソン病の当事者を取り上げたドラマとドキュメンタリーの2本立てを制作することで、社会に届けていきます。

コンセプト

自分を受容していくことの大切さ

映画の題材はパーキンソン病を取り上げていますが、患者さん当事者だけが状況に向き合うのではなく、みんなが一人ひとり主体的に自分ごととして考えていく発想が必要だと考えます。成長社会においては、効率性・画一性・正確性が求めれてきたがゆえに、自分自身の存在意義を見失って久しい時代が続きました。コロナ禍もあり、社会の当たり前が見つめ直され、多様性のあり方が広がっている近年、ありのままの自分を受容していく姿勢が大切になってくるのだと思います。本作でも病気を通じて、自分らしさを主人公が取り戻していきながら、自分の体はもとより、家族や職場の人間関係を大切にしていく変容を描き、自分ひとりで頑張るのではなく、他者との関係性を構築させながら、感謝や愛が自然と生まれていく現代社会に求められている人のあり方を描いていきます。

最後に

ポストコロナ時代だからこそ、この映画を社会に届けたい!

少子高齢社会を迎え、これから介護や福祉医療分野での課題は益々増えていくことと思います。社会の様式や価値観が様変わりする現代において、私たちは一人ひとりが自分たちの人生における大切な価値観やあり方を見つめ直し、世代や職種を越えて、皆でお互いを助け合っていく協働関係の意識が求められていると考えます。パーキンソン病以外にも様々な病気と向き合って生きている方々が、自分一人の苦しみとして孤立されることなく、社会全体として各々の悩みや苦しみを分かち合い、生きることを未来志向で捉えていける勇気と希望を届けていきたい。自己を受容し、失敗を恐れず変容することで、社会が寛容さで満たされていく。そんな社会の実現に向けて、全身全霊で本作を仲間と共に産み出していきます。